4期連続営業赤字、債務超過の老舗菓子屋をM&A
譲渡企業概要
●業 種 老舗菓子製造販売
●年 商 7億円
●営業利益 4期連続赤字
●財務体質 債務超過
●借 入 金 5億円
●地 域 首都圏
当社の立ち位置
- 売り手企業のFA
M&A実施前の状況
- 後継者の娘夫婦が、親族内で揉め事業承継しないことを表明
- 4期連続営業赤字の補填資金は金融機関からの融資は限界であったため、グループ会社から資金を調達。グループ会社は取引先の買掛金の支払いを留保し老舗菓子屋への貸付資金を捻出。
- 老舗菓子屋破綻した場合、グループ会社及び海外取引先が連鎖倒産するリスクがある
- 資金繰りに窮していたため、資金繰り破綻する前にディールを成立させる必要があり、時間との闘い
ディール概要
ディールストラクチャー 東京工場を売却後、老舗菓子屋の株式を譲渡
- 帳簿上は債務超過であったが、東京工場の評価額によっては資産超過の可能性あり。
- 4期連続赤字で5億円の借入金がある状態での株式譲渡は不可能であるため、東京工場を売却し、借入金を圧縮し財務の健全化を進めて譲渡を進める
- 東京工場の機能は茨城工場に集約することで売却活動を進める
- 上記の場合、東京工場の従業員の雇用は維持できない
- 老舗の暖簾の価値に興味を持つスポンサー企業が現れ譲渡
- スポンサー企業の意向で東京工場の機能は近隣の工場を借り受けて継続することになる
M&実行のポイント
- 東京工場が目標金額で売却できるかが重要であったため、目標金額に届くまで40社以上に打診
- 株式譲渡も4期連続赤字であれば通常売却は難しいが、30社程度にあたり老舗の価値を高く評価した会社に譲渡
効 果
- グループ2社とも資金繰り破綻する可能性が大きかったが、2社とも事業を継続でき、老舗の暖簾、雇用の継続、金融機関からの借入金の全額返済、取引先に対する未払金も全額支払いでき、ステークホルダーに損害、迷惑をかけることなく実施できた。