自社の課題・問題点が確認できる業績管理体制を構築し、やるべき課題の達成状況を明確化して業績改善を図る
■年 商 5億円
■業 態 地場建設会社 土木工事 官庁工事主体
■収 益 帳簿上は黒字であるが実態は数年間赤字が継続
相談時の状況
粉飾決算をしているため帳簿上は黒字であるが実態は数年間赤字が継続いる状況。主な赤字の要因としては下記の3点であった。
- 運転資金の融資を受けるため、採算度外視で工事を受注し、工事金を引き当てに運転資金を確保
- 業績の実態が把握できておらず、決算を締めてみないと年間の損益がわからない状況。
- 官庁工事主体のため春先の閑散期と夏以降の繁忙期の工事量のギャップが大きく、閑散期の待機人件費の原価負担が収益を圧迫
改善実施事項
- 業績見通し数値を確認し、黒字化するための売上高・粗利高の必要金額を確認できる業績管理体制を構築
- 閑散期に民間工事や下請け工事を受注し、待機人件費の削減状況を数値で確認できる体制を構築
- 資金繰りのための不採算工事の受注については、メインバンクと協議し、無理な受注をしなくても資金繰りが回る体制を構築。
担当者からのコメント
建設業にありがちなどんぶり勘定の会社でその場しのぎで対応してきた典型的な会社です。決算数値が赤字になれば粉飾決算で黒字にし、運転資金が足りなければ採算度外視で無理に受注し、なんとかその場を凌いできた会社です。以前はこのような経営でも成り立ってきたときもありましたが、建設業界が厳しくなってきている中で、その時の経営環境に適合していかないといずれは行き詰ってしまいます。ただ、経営改善にあまり取り組んでこなかったために、改善の取り組みに対する効果は大きく、黒字化体質の会社に改善することができました。